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『とある魔術の禁書目録Ⅱ』第20話 アニメ感想

そのボタンの表面に、何かがべったりとこびりついていた。自動販売機の横にあるゴミ箱のような、黒っぽい粘液だ。ボタンを押すには、その汚れに触れなくてはならない。
 汚れの正体が人聞の血と肉であってもグチャグチャに潰れた骨と皮膚のついた細かい肉がそのままこびりついていたとしても。

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「―――ぁ、は?」
 意識の細い糸が切れた。
 ぶちん、という小さな膏が聞こえた気がした。
「うがぁ!? ぎゃあ!! ぎゃああああああああああっ!!」
 ヴェーラは喉が裂けるほどの勢いで叫ぶと、全力で後ろへ下がった。もうこれ以上は耐えられなかった。今までの自分を作っていたものがボロボロに崩れる感覚を確かに得ていた。水滴の一粒でも肌に落ちたら、そのショックで絶対に死ぬと思った。
 そんな状況で何かに足を取られ、ぬめった感触と共にヴェーラは尻餅をついた。
 足元を見ると、そこにはぶよぶよした一掴みほどの肉がへばりついていた。
 グチャグチャになっているが、どう考えてもそれは人間の下顎だ。
「うわあぁああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
 振り払って逃げようとした。
 しかし闇雲に視線を動かそうとした所で、別の同僚と出会った。いや、
出会った、と表現して良いかは分からない。体を太い針金で固定された上、切断された蒸気パイプから噴き出し
た高温のスチームを浴びせられて茄でられたかは謎だ。
 吐潟物(としゃぶつ)が噴き出した。
アニメ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/27 18:27
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