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球体の蛇 道尾秀介・著 感想


球体の蛇球体の蛇
(2009/11/19)
道尾 秀介

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『内容紹介
あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった……。狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、人生の真実の物語。
内容(「BOOK」データベースより)』


気に入った文章。

『初めてのアパート暮らしも、キャンパスで過ごす時間も、下町も、居酒屋も、終日営業のカラオケ店も、あまり私の胸を躍らせてはくれなかった。どこか現実感がなく、ただ『私の人生』という題名の退屈な映画を、客のいない映画館で眺めさせらているような毎日だった。
 かつての自分ーーー眠っているか、それとも感情に浸された胸をもてあましていた自分は、いつのまにか背中を向け、どこか見えない場所へと遠ざかっていた。
 自らの力では手に入れられないものを欲しがったり、ありえない未来を想像して身を震わせたりそんな日々はもう名残さえ見つけられなかった。』

 こういう感傷的な文章は好き。
読書 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/09/04 10:49
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