メデューサとの出会い (ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 3) 感想
メデューサとの出会い (ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 3) (ハヤカワ文庫SF) (文庫) (2009/10/30) アーサー・C・クラーク 商品詳細を見る |
『内容紹介
人類初の木星大気圏の探査に気球で挑むハワード・ファルコンの驚異にみちた冒険をスリリングな筆致で描き、ネビュラ賞を受賞した表題作、電磁加速ランチャーで月面から地球に帰還しようとして事故に遭ったクリフ・レイランドの顛末を物語る「メイルシュトレームII」などの中短篇、海洋、動物の超感覚、『2001年宇宙の旅』シリーズの総括、宗教と、さまざまなテーマを扱ったエッセイ四篇、年譜を収録した、短篇集第三弾。』
山岸真氏のツイッターで話題になったので手にとって読んでみた。
そのツイッターでのイチオシは「メイルシュトレームⅡ」、「太陽からの風」、「メデューサとの出会い」でした。
あらすじは「メイルシュトレームⅡ」は電磁加速ランチャーで月面から地球に帰還しようとして事故にあったクリフ・レイランドの顛末を物語る話。
まあわかりやすくいうと映画の「アポロ13」のような話ね。
なにが驚きってこの短編1962年(!)発表なのな。
もう40年以上も前の短編でリアリティのある宇宙ものを書けるアーサー・C・クラーク恐るべし。
次は「太陽からの風」宇宙船の航法として実現が真剣にとり沙汰されているもののひとつに、太陽風帆走(ソーラー・セイリング)がある。(あとがきから抜粋)
燃料がいっさい不要となる画期的な推進システムということでアイデアが光る。
これもわくわくして読める一品であった。
最後の「メデューサとの出会い」。この本の表題にもなってて内容は「人類初の木星大気圏の探査に気球で挑むハワード・ファルコンの驚異にみちた冒険」ってことで。
まあ要は木星探査の話なんだけどこの短編が世に出たのは1971年でもうほんとにずっと前なんだよね。
このときからクラークは人類は宇宙に飛び出すことを夢みてたのに2012年現在そんなに宇宙開発がすすんでいないっていう現実に泣ける(ノД`)
「メイルシュトレームⅡ」、「太陽からの風」、「メデューサとの出会い」も良かったけど一番最初の一発目の短編「イカルスの夏」もいいし最後にクラークのエッセイが4本もついててかなり満足度が高い1冊でした。
なんか久しぶりにわくわくSFを読んだような気がするw
あー良かった、堪能したw